地域交流事業・地域交流室
当グループでは、設立当初から地域交流事業と地域交流室を開放する事業を展開してまいりました。地域交流事業とは、社会福祉の視点に基づくまちづくりの活動を、地域交流室の開放は、私たちの施設等の空間を地域住民に無償で提供する取り組みのことを指します。
これらの目的として、私たちは、以下の3点を標榜しております。
① 利用者のストレングスから役割を創出すること。
② 多様性が尊重された地域を創造すること。
③ 「有事」のために「平時」の連携を促進すること。
① 「ストレングス」は、すべての人間が、必ず有しているものであり、それは、個人の内部だけではなく、周囲の環境や関係のなかに見出すこともできます。本人の特技や興味、夢、希望、そして、信頼できる他者との関係や環境がこれにあたります。この「ストレングス」を役割に昇華することを促進するためには、施設等の閉ざされた・固定化された関係のなかだけでは困難であり、幅広い立場の人びととの関係が必要となります。そのため、施設等の内部の関係を外部にひらいていくことが求められます。このような多様な関係のなかでこそ、利用者の多様な役割の創出が可能となるからです。
私たちの実践事例では、元学校教諭の利用者が、地域の子どもたちを対象とした書道教室の先生をしたり、利用者の得意料理を地域住民に振舞うなどの取り組みがあります。
② 地域には、障害者や非障害者、子育て中の世帯、介護中の世帯、富裕層、貧困層、高齢者、若年者等、実に様々な立場に置かれている人びとが共に暮らしています。他方で、これら異なる立場にある人びとによる交流の機会が非常に少ないことが指摘されています。いわゆる階層や集団間の分断が顕著となっており、「分断社会」と呼ばれているほどです。このような人びとの分断によって、多様な立場の相互理解が停滞し、これが、多様性を尊重する地域づくりの阻害要因となっています。
これまでの実践事例からは、異なる時間に地域交流室に来ている高齢者と子どもが交流できるように交換ノートを設置することや、地域の子どもたちと保護者と高齢者、障害者が協働で催し物を運営することなどが挙げられます。
③ の「有事」は、戦時という意味ではありません。例えば、災害や病気、怪我などによって生きづらさが生じる場面を意図しています。このような暮らしの困難が生じた際に、見ず知らずの赤の他人に助けを求めたり、連携することができるでしょうか。多くの人びとは、日常的につながりがあり、一定の親密度の担保された他者とは協働しやすいと感じるものの、普段から付き合いのない他者との連帯には困難を感じているように思われます。そこで、私たちは、このような「有事」に備えて、「平時」からのつながりを重視した実践を展開しております。この活動は、私たちを含めた地域住民間のコミュニケーションの質と量を高めることを目的としたものです。
以下に幾つかの活動例を挙げておきます。私たちは、ペットボトルのキャップやプラスチックトレイの回収を施設等で行ってきました。また老人クラブの総会や子ども会の役員会を施設等で開催してもらっています。職員の休憩所を地域住民の行き交う多い場所に設置し、地域住民と共に休憩する取り組みも行ってきました。これらは、地域住民間の平時からの連携を促すものであり、ここで生まれた関係を基盤として、地域住民による相互理解や支援が自発的に生まれるものと信じております。
地域交流事業については、地域のみなさまから様々なご提案を賜れればと存じますし、施設等の空間を有意義にご活用いただければ幸甚です。私たちの運営する施設等へお気軽にお声掛けください。
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